実用新案制度の意義
韓国法上、実用新案権は、方法や性質に対する技術理論を除いた物品の形状、構造、組合わせに関する実用的な考案、即ち、物品に具現された技術理論を保護対象とする。
それは、小発明に対する短期間の簡易な保護を図るために案出された制度であって、特許発明の保護とその趣旨や目的は同一である。
実用新案制度は、世界的に普遍化された制度ではないが、ドイツ、日本を始め幾つかの国において施行され、産業発展に肯定的に寄与してきたものと評価されており、韓国においても多く利用されている。
実用新案制度は、沿革的には小発明保護のために案出された制度であるが、実際は小発明保護、中小企業のための制度であるばかりでなく、大発明、大手企業も利用可能な制度である。
保護の要件
実用新案の場合も、特許と同様に出願、審査、登録を通じて権利を付与する。ただし、審査の対象は、手続的要件及び基礎的要件に限定される。一方、改正法は、登録されたとしても、直ちに権利行使ができるものではなく、第三者の侵害等に対して権利行使をするためには、“技術評価の請求を通じて維持決定”を受けなければならず、その謄本を提示して警告をした後でなければ、侵害者等に対して権利行使をすることができない。技術評価請求を通じて維持決定を受けるためには、当該考案が産業上利用可能性、新規性及び進歩性を備えていなければならない。この点は、特許の場合と同様であり、その内容、判断基準等も大体において特許と同一である。ただし、進歩性については、その内容が特許の場合と異なっているため、特に注意する必要がある。
出願時の必要書類
実用新案登録を受けようとする者は、それに必要な書類を提出し、必要な手数料及び登録料を納付しなければならない。実用新案登録出願書及び明細書は、特許出願の出願書及び明細書と比較するとき、その記載欄の名称が多少異なるだけで、実質はほぼ同一である。ただし、図面を必ず添付しなければならない。
実用新案制度の意義

無審査登録主義
1999年7月1日から実用新案制度は、従来の『審査主義』から『無審査登録主義』に改正されたことに伴い、実用新案登録出願に対して‘方式審査’と‘基礎的要件審査’のみを経て登録できるように変わった。
無審査登録主義の効果
従来の制度は、『出願人の出願行為・審査請求・出願公開及び実体審査・登録査定・出願人の登録行為(登録料の納付)・特許庁の登録』に約3年程度がかかり、中小ベンチャー企業の技術開発及び事業化の意欲を低下させる一つの要因として作用する面があったが、現行制度の下においては、『出願人の出願行為・簡単な形式審査・特許庁の職権登録』に簡素化され、約3~5ヶ月で権利設定がなされるようになった。
二重出願
改正法は、二重出願制度を認めている。即ち、特許として出願された発明に対しても、二重出願を通じて実用新案権を付与され得るようにしており、実用新案として出願した発明に対しても、特許の適格を備えていれば、二重出願を通じて実用新案権を放棄し特許登録を受けることができる。これは、実用新案制度を通じた早期の権利化と特許を通じた長期の権利化を通じて出願人の利益を図るためのものである
実用新案権
手続的要件と基礎的要件の審査を経て登録されると、実用新案権が発生する。実用新案権も権利としての効力面においては特許権と基本的には同一である。ただし、実用新案権の存続期間は特許権の存続期間より短い。即ち、“実用新案権の存続期間は、実用新案の設定登録があった日から実用新案登録出願の日より10年になる日まで”である。また、特許法において認めているいわゆる存続期間延長制度は採用していない。
権利行使手続き
実用新案権は、簡易な手続きを通じて、実体的要件に対する審査なしに登録を通じて発生する権利である。このような“先登録制度”は、権利の発生は早期化できるかも知れないが、瑕疵のある権利が発生することは防止できない。そこで、法は瑕疵ある権利による独占の弊害を防止するために一定の権利行使手続きを規定している。即ち、登録された権利者が実際に権利を行使するためには、技術評価の請求を行い、法第25条第2項の規定による維持決定の謄本を提示して警告した後でなければ、自己の実用新案権または専用実施権を行使することができない。
技術評価請求
登録実用新案に対して、何人も、特許庁長に技術評価を請求することができる。この場合、実用新案登録請求の範囲の請求項が2以上であるときは、全ての請求項に対して請求しなければならない。技術評価請求は、実用新案権の消滅後にも行うことができるが、取り下げることはできない。技術評価請求がある場合、特許庁長は審査官によって登録実用新案に関する技術評価を行うようにしなければならず、技術評価請求があった旨を実用新案公報に掲載しなければならない。
| 区
分 |
特許法 |
実用新案法
(1999.7.1 改正) |
| 保護の対象 |
自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの |
自然法則を利用した技術的思想の創作、ただし、当該考案は、物品の形状・構造または組み合せに関するものでなければならない。 |
| 実体要件 |
産業上利用可能性、
新規性、進歩性 |
特許法と同一であるが、進歩性要件は緩和
(当業者において極めて容易でないもの) |
| 基本構造 |
実体要件審査の後、登録 |
先登録の後、技術評価時に実体要件審査 |
| 権利の内容 |
独占排他的権利
出願日の翌日から20年
存続期間の延長可能
侵害者の過失推定 |
独占排他的権利、ただし、権利行使は技術評価の後、維持決定謄本を提示して警告した後にのみ可能
出願日から10年
存続期間の延長不可能
過失推定の規定無し |
|
|